○目的・趣旨:
近年の急速な科学技術の発展により社会生活の利便性が向上する一方で、新しい科学技術を社会で活用するための法整備が追いつかない分野、例えば宇宙開発、AIやビッグデータ、高度先進医療等、が散見され、今後も増加する事が予測されます。新しい科学技術の活用には予期せぬトラブルも多く伴われますが、これらの仲裁や解決も法曹における重要な課題と考えます。また、近年、環境破壊や自然への悪影響が懸念される土地開発や産業活動についての法的係争も散見され、自然環境保全と産業活動の均衡維持も重要な課題です。このような状況下において理系分野の専門知識や理解能力を兼ね備えた法曹の重要性が増していますが、異分野、特に理系分野からの法科大学院進学者数が顕著に減少しています。多様な学問的背景を持つ法曹の層の厚みは成熟した社会を支える上で重要であり、これに資するため、本奨学金では、理系分野の学問的背景を持つ学生がそのバックグラウンドを活かした法曹になるための支援を行います。
○2023年度 募集:
2023年4月1日(土曜日)〜2023年5月12日(金曜日)
○応募資格:
申請時に40歳以下の者で、日本の法科大学院在籍者もしくは次年度進学予定者のうち、次の各号のいずれかに該当する者。
1. 理系分野の大学学部を卒業した者
2. 理系分野の大学院修士もしくは博士課程を修了または中退した者
* 当財団の役員等及び選考委員の者並びにその三親等内の親族である者は出願資格を持たないものとします。
* 経済状況・成績による応募制限はありませんが、選考過程でどちらも審査対象となります。
* 「理系」とは第一義的には「自然科学」に分類される学問分野を指しますが、心理学等の文系と理系の境界領域にある学問分野及び学際領域についても出願を認めます。応募書類の審査を通じて奨学金給付の対象として能力や志が十分かを総合的に判断します。
* 保証人は不要です。
○募集人数:
法科大学院在籍者、来年度進学予定者、それぞれ若干名
○奨学金の給付について:
月額3万円を正規の最短修了年限(最長3年)給付します。
返済は不要です。他の奨学金との併給は可能です。
司法試験実施時期(7月)を考慮し、卒業後の4ヶ月も給付を継続します。
本人名義の銀行口座へ四半期毎に送金します(4月、7月、10月、1月)。
*諸事情により急な出費・大きな出費があり、それに奨学金を充当したい場合、その年度の給付予定残額の一括受給を申請する事ができます。
法科大学院在籍者の採択の場合、初回四半期分は遡及しません。
○応募時の提出書類:
下記4点〜6点の書類についてPDFをE-mailでご提出ください。
詳細は募集要項をご参照ください。
・奨学生願書(指定フォーマットをダウンロードし作成してください。)
・推薦状1通(指定フォーマットをダウンロードし作成してください。)
・成績証明書(直近1年分)
・学位取得証明書(出身理系大学・大学院のもの)
・在学証明書(法科大学院在籍者のみ)
・医師免許、歯科医師免許、薬剤師免許等の資格免許をお持ちの場合、免許の写し
*詳細は募集要項をご参照ください。
重要
SARS-CoV-2によるCOVID-19流行状況を鑑み、応募時の提出書類について、オンラインで完結可能な対応を行います。
具体的には、状況の改善に応じて後日補完・追完することを条件に、
・推薦状への推薦者押印を省略可能とします。
・奨学生願書への証明写真添付を省略可能とします。
・スキャナやプリンターの都合で、奨学生願書に自署・押印したPDFの作成が難しい場合はこれらを省略可能とします。
・成績証明書、出身大学(院)の学位取得証明書、在学証明書の証明書類について代替するものによって申請可能とします。
(例:成績表や学位記の写真提出、学生証の写真提出、オンライン履修登録画面のスクリーンショット提出など)
・その他、わからない点や判断に迷うことがあれば、info[at]nakatsuji-ff.orgまでお問い合わせください。
(メールアドレスをご利用の際は[at]を@へご変更ください。)
○選考と通知について:
人材育成選考委員会*において書類審査・面接を行い、合議制の選考会において決定します。
*人材育成選考委員名簿
一次選考(書類審査)の結果:2023年5月末から6月初めに通知
二次選考(面接):2023年6月11日(日曜日)(予備日2023年6月25日(日曜日))
※面接はZoomで行います。対面での面接は希望があり、実施可能な状況の場合に応じます。
二次選考(面接)の結果:2023年6月下旬に通知
採否によらず選考結果は応募者全員にメールにて通知します。
対面での面接の場合、往復の交通費は当財団から支給いたします。
詳細は募集要項をご参照ください。
○その他
採択時に必要な届出や提出書類、連絡義務、奨学金の休止・廃止については
募集要項をご参照ください。
○募集要項と各種フォーマット
募集要項:2023年度募集要項(2023年4月更新)
奨学生願書:2023年度奨学生願書(Excel)(2023年4月更新)
推薦状:推薦状(Excel)(2023年4月更新)
口座届出書:口座届出書(Excel)(2023年4月更新)
基本情報届出書:基本情報届出書(Excel)(2023年4月更新)
理系大学・大学院修了者への法科大学院奨学金に関するお問い合わせ、
応募時提出書類のご提出は、
info[at]nakatsuji-ff.org
までお願い致します。
(メールアドレスをご利用の際は[at]を@へご変更ください。)
○採択実績
2023年度は3名の奨学生を採択しました。
東京都立大学法科大学院1年生(有機化学専攻出身、博士)
神戸大学法科大学院1年生(電子工学専攻出身)
日本大学法科大学院(夜間)2年生(高分子化学専攻出身、修士)
2022年度は8名の奨学生を採択しました。
早稲田大学法科大学院3年生(看護医療学専攻出身、看護師、保健師)
大阪市立大学法科大学院3年生(教育学・数学専攻出身、修士)
東京大学法科大学院2年生(森林科学(生態学)専攻出身)
京都大学法科大学院2年生(化学・理論法学専攻出身、修士2件、弁理士)
東京大学法科大学院1年生(医学部医学科出身、公衆衛生学専門、医師)
神戸大学法科大学院1年生(エネルギー機械工学専攻出身)
京都大学法科大学院1年生(医科学専攻出身、修士)
京都大学法科大学院1年生(化学専攻出身)
2021年度は5名の奨学生を採択しました。
名古屋大学法科大学院3年生(物性物理学専攻出身)-> 2022年度司法試験合格
東京都立大学法科大学院2年生(分子生物学・実験心理学専攻出身、修士)-> 2022年度司法試験合格
東京大学法科大学院1年生(数学・天文学専攻出身、修士)
学習院大学法科大学院1年生(応用物理学知能システム専攻出身、修士)
千葉大学法科大学院1年生(理工学・教育学専攻出身)
2020年度は3名の奨学生を採択しました。
名古屋大学法科大学院2年生(システム創成学専攻出身)-> 2022年度司法試験合格
大阪大学法科大学院2年生(電気電子工学、理論宇宙物理学専攻出身)-> 2022年度司法試験合格
東京大学法科大学院1年生(AI、マテリアル工学専攻出身)
2019年度は8名の奨学生を採択しました。
九州大学法科大学院2年生(緑地環境学専攻出身)-> 2021年度司法試験合格
早稲田大学法科大学院2年生(薬学専攻出身、薬剤師)-> 2021年度司法試験合格
東京大学法科大学院1年生(理論物理学専攻出身、弁理士)
京都大学法科大学院1年生(保健学専攻出身、修士、言語聴覚士)-> 2022年度司法試験合格
千葉大学法科大学院1年生(薬学専攻出身、薬剤師)
早稲田大学法科大学院1年生(数学専攻出身)
早稲田大学法科大学院1年生(薬学専攻出身、薬剤師)
進学予定1名(創薬医学専攻修士在学中、2020年4月より京都大学法科大学院1年生)
2018年度は2名の奨学生を採択しました。
東京大学法科大学院2年生(天文学専攻出身、博士)-> 2022年度司法試験合格
慶応義塾大学法科大学院2年生(物理学専攻出身)-> 2022年度司法試験合格
2017年度は5名の奨学生を採択しました。
京都大学法科大学院3年生(物理学専攻出身)-> 2018年度司法試験合格
千葉大学法科大学院2年生(機械物理工学専攻出身、修士、弁理士)
-> 卒業時学長表彰(首席卒業)、2019年度司法試験合格
早稲田大学法科大学院2年生(化学専攻出身、修士)-> 2019年度司法試験合格
京都大学法科大学院1年生(臨床心理学専攻出身、修士) -> 2020年度司法試験合格
京都大学法科大学院1年生(医学部医学科出身、医師)