社会と次世代を担う若者を支援します。

設立趣意

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設立趣意

 設立時理事3名(中辻憲夫、藤本一郎、細川美穂子)は同時期に京都大学物質-細胞統合システム拠点に所属していた経歴があり、同拠点を介した縁で集いました。中辻憲夫は設立拠点長として新たな学際領域の開拓と創出に、藤本一郎は実務家法曹としてイノベーションマネジメントに、細川美穂子は分子生物学及び生命情報科学の専門家として基礎研究に、携わりました。
 当法人を設立するにあたり、私たちは次の世代に何を残せるか、社会に対して何ができるか、真に豊かな社会とはどのような社会か、其々の立場から議論を重ねました。豊かでより良い社会を実現するためには、例えば自然環境問題、資源エネルギー問題、貧困や格差固定問題等いくつもの課題が挙げられ、これらの課題について行政が主軸となり、また多くの民間団体からの支援や尽力により、積極的な解決や改善が試みられています。一方で、支援の手が行き届かない課題も未だあり、私たちはこれまで各自の立場で職務を遂行する中で解決が必要と感じる様々な課題に直面してきました。
 私たちは、より良い社会を実現するためには、自然環境と調和した科学技術の健全な発展が重要であり、調和の形成には多種多様な基礎研究を広く守り科学が発展するための土壌を育成することが必要であると考えます。また、これらを支える上で何よりも重要なのは「人」であると考えます。
 小さな法人故に出来ることに限りがあります。同時に、小さな法人だからこそできることがあります。例えば、大きな法人では事業化がためらわれるニッチなところ、先進的なため助成規模と得られる社会的成果の予測が難しく事業化されにくいところ等、既存の支援からこぼれ落ちてしまうところに私たちはアプローチすることができます。私たちは小規模法人ならではの良さを活かし、既存の支援では手が充分に届きにくい課題に焦点を絞り、私たちの「目の前」にある課題を大切に考え、時代や社会のニーズに従って、「研究を守り育てる事」と「人を育てる事」を柱に事業を行い、これら事業をもって、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えております。

 

設立経緯

 当法人は2015年11月13日に、社会と次世代を担う若者を支援することを目的とし、中辻憲夫氏の個人資産を原資として設立されました。設立者の中辻憲夫氏は、京都大学教授在任中に再生医科学研究所所長及び物質-細胞統合システム拠点設立拠点長を歴任した発生生物学者で、特に幹細胞生物学分野において、2003年に成功したヒトES細胞株(多能性幹細胞株)の樹立と分配事業の立ち上げを主導して日本国内の再生医学基盤を築き上げた功績が高く評価されています。2003年に中辻憲夫氏(京都大学再生医科学研究所教授・当時)がサイエンティフィックファウンダーの一人となり大学発スタートアップ企業リプロセルが設立され、同社が生産販売を開始したヒトES細胞用培養液が、ヒトiPS細胞株の樹立を含むヒト多能性幹細胞の培養及び研究に広く使用され、再生医学研究の発展に貢献しました。このような幹細胞と再生医学研究の興隆を受け、2013年にリプロセルは東京証券取引所JASDAQグロースへの上場に成功し、中辻憲夫氏は創業者として得られた資産を、社会と次世代を担う若者を支援するために活かしたいと志を深め、当法人の設立に至りました。

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